てんかんの診断・治療
てんかんとは
「てんかん」はてんかん発作を繰り返す脳の病気で、年齢、性別、人種の関係なく発病します。わたし達の体を作っている細胞には電気的な流れがあり、大脳の神経細胞(ニューロン)も、規則正しいリズムで調和をとりながら電気的に活動しています。「てんかん発作」の時には、大脳の電気的な興奮が発生し、リズムが壊され、激しい電気的な乱れを生じることによっておきます。発症は場所によって様々な症状です。たとえば、いわゆる「けいれん」と呼ばれる手足をガクガクと一定のリズムで曲げ延ばしする間代発作や、手足が突っ張り体を硬くする強直発作、あるいは非常に短時間の意識消失が突然起こる欠神発作、全身や手足が一瞬ピクッとするミオクロニー発作、感覚や感情の変化、特殊な行動などいろいろな症状があらわれる複雑部分発作など、その症状は極めて多彩です。 ただし、発作の症状は患者さんごとにほぼ一定で、同じ発作が繰り返し起こることが、てんかんの特徴です。また、発作を起こしている最中は脳の中の電流が乱れているため、脳波によっててんかん性異常波としてとらえることができ、てんかんの診断に用いられます。てんかんのある人は、100人に一人の割合でいると言われています。
発症年齢
乳幼児期から高齢期まで、全ての年代で発病します、3歳以下の発病が最も多いですが、最近の傾向では、高齢者の発病が若年者以上に増えています。
てんかんの原因
てんかんが発病する原因は様々ですが、原因により特発性てんかんと症候性てんかんに分けられます。 特発性てんかんは、検査をしても異常がみつからず、原因不明とされるてんかんで、生まれた時からてんかんになりやすい傾向を持っていると考えられています。てんかんの多くは遺伝しないと考えられていますが、特発性てんかんの一部には、「てんかんになりやすい傾向」が遺伝する可能性も指摘されています。
症候性てんかんは、脳に何らかの障害が起きたり、脳の一部に傷がついたことで起こるてんかんです。たとえば、出生時に脳に傷がついたり、低酸素、脳炎、髄膜炎、脳出血、脳梗塞、脳外傷の場合に起こるてんかんです
てんかんの治療
てんかんのある人のうち70~80%は、薬や外科治療などにより発作を抑制(コントロール)できます。残りの20~30%の人は、現在使用できるどの薬や治療法を用いても発作が止まらない難治性てんかんです。 てんかんは一生治らない「不治の病」と思われてきましたが、てんかんは治療可能な病気です。特発性部分てんかんがもっとも治りがよく、100%の患者さんの発作が治療を開始してから2年以内に止まったのに対し、症候性全般てんかんでは、20%の人しか止まらないという研究結果があります。 このように、正しくてんかんを診断することが治療成果の見通しを立てるのに、大変重要です。
高齢者てんかんについて
高齢者の発症が増加しています。てんかんは子どもの病気と思われがちですが、高齢者のてんかんは、脳血管障害、認知症に次いで高齢者に多い神経疾患です。
高齢者のてんかんの原因
高齢者のてんかんは、脳卒中、脳梗塞、頭部外傷、加齢に伴う脳の異常、認知症などにより起こることが多く、原因の明らかなものが半分~2/3といわれています。
高齢者のてんかんの症状
高齢者のてんかんは部分てんかんがほとんどです。多くは複雑部分発作でけいれんを伴わない目立たない発作が特徴です。前兆症状は少なく、ボーっとする、不注意、もうろう、無反応、奇異な行動などで、このような発作の後に意識がもうろうとした状態が数時間~数日続くことがあります。高齢者は慢性疾患などをもっていることが多く、もっとも多い合併症発症、脳梗塞などの脳血管疾患です。てんかんの症状をもつ高齢者は、もたない高齢者に比べて、その後、脳血管疾患を発症しやすいと言われています。
日常生活でこんな症状ありませんか?
高齢者てんかん症状チェックリスト 監修 渡辺雅子先生
□ 旅行やイベントなど過去の特定の記憶が抜けている
□ 突然、動作がとまり短時間一点をみつめてボーっとする
□ 気が付かないうちにケガをしたり事故にあったことがある
□ 口をもぐもぐしたり、舌をペチャペチャ鳴らす
□ 意味もなく、繰り返し服や周りの物をモゾモゾ触る
□ 突然吐き気のような気持ち悪さがこみあげる
□ 急に攻撃的になり、怒ったような言動を発する
□ 睡眠中目をあけているが、話しかけても反応がない
このような症状があれば、てんかんかな?と疑い、少しでも早く、大分市内 よしどめ内科・神経内科クリニックを受診されてください。
連絡先
よしどめ内科・神経内科クリニック
870-0818 大分市新春日町1丁目1番29号2F
℡ 097-546-7171